産婦人科からお知らせ

妊婦さんへ風疹についてのお願い

妊婦さんへ風疹についてのお願い 

風疹の流行が現在も続いております。米国CDC(アメリカ疾病管理予防センター)からは20181022日付で風疹流行につき、予防接種や過去の感染歴がない妊婦の日本への渡航を控えるよう警告が出ています。

現状では特に都会での風疹感染例が目立ちますが、都会と地方との往来は活発であり、20代後半から50代(特に男性例)の大人同士の感染例が目立っております。

一方、女性の罹患例は、全体の20%を占めます。そのうち、ワクチン接種既往が明確でない20代以降の女性にも発症例がみられますので、妊娠女性においても、風疹抗体価がHI 16倍以下の場合は、十分に警戒する必要があります。

 

≪妊婦自身と周囲に緊急に行動、注意していただきたいこと≫

1.初診で妊娠判明したときのお願い

①直ちに妊婦風疹抗体価検査を(過去のデータがあれば代用可能)実施し、HI 16倍以下のリスク妊婦の場合には、結果を速やかに伝えるなどして罹患予防に徹するよう注意を促して下さい。

②妊娠判明時に直ちに夫、同居家族(定期接種対象の子どもは除く)の風疹接種歴、既往歴等の確認を行って下さい。

③上記の記録が確認出来ない家族などは風疹抗体価測定を実施して下さい。(市区町村保健所等の検査助成の情報提供を参照して下さい。)

④妊娠している可能性がある女性、妊娠中の女性は【麻疹風疹=MR】ワクチンの接種を受けることはできません。

 

2.風疹抗体の有無の結果が判明するまでの妊婦およびリスク妊婦と判明した妊婦に対しての指導及びお願い

①人ごみは避け出歩かないようにして、厳重な防衛策をとって下さい。

②夫がリスク者(風疹抗体をもたない)疑いもしくはリスク者確定なら、夫は直ちにワクチン接種をして妊婦への万全の風疹罹患予防策をとって下さい。(MRワクチンを接種した場合は、接種後23週後から効果あり)。

③妊婦から職場の健康管理者に、妊娠初期であることを伝え、職域での風疹患者発生の把握に努めてもらうのと同時に、職域での風疹例発生時には直ちに妊婦まで連絡をとってもらうようにして下さい。

④職域で患者が出た場合には、患者はもとより、リスク妊婦の『出社の差し控え』を含めて、妊婦への万全の保護策をとってもらえるよう、職場の健康管理者へ申し出て下さい。(主治医からの意見書、指導書面等があればなおよい)⇒出社差し控えの場合は『公休扱い』にしてもらうように働きかけて下さい。

 

3.職域等の健康管理者等へのお願い

①職域の女性に対し、特に妊婦に対しては厳重な保護対応策をとって下さい。

②職場等での風疹患者発生時の情報共有・警告発信をして、防疫に努めて下さい。

③妊婦が職場等にいれば、厳に接触が起こらないよう出勤を控えさせるなどして

保護に努めて下さい。

④成人の多くは軽微な症状だと、継続して出勤・日常活動していることが多く見られます。発熱等の症状が出ている間は、どの疾患によるのか、診断を速やかに受けさせて対処して下さい。

 

風疹について

■潜伏期間1421日(平均1618日)です。

■初期症状は

①発熱

②耳介後部、後頭部などの首の後ろのリンパ節の腫膿

③全身の発疹で、それは淡紅色の小紅斑や小丘疹を呈します。

④眼球結膜が充血し、目が赤くなります。

なお、症状を伴わない不顕性感染も15-30%みられます。

 

(※)どのようにすればすこしでもうつされないか?

感染は、くしゃみ、咳、唾液のしぶきなどの飛まつによってほかの人にうつります。インフルエンザと同様に、接触感染でも感染します。

発疹の出る1週間前から症状が消えるまでの期間、感染します。

・不顕性感染でも感染力はあります。

・症状の出揃う時期がうつりやすいピークとなります。

 

風疹抗体検査の支援とワクチン接種

成人女性、夫、パートナー等を対象とした風疹抗体検査の費用助成事業が行われています。お住まいの市区町村保健担当部署に問い合わせをして、積極的に利用して下さい。