産婦人科からお知らせ

COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ

2021年2⽉からわが国においても、COVID-19 ワクチン接種が始まります。
政府はすでに希望される⽅すべてに、無償で接種を⾏う⽅針で進めています。
COVID-19 のパンデミックが昨年に始まり、およそ半年という極めて短い時間にワクチン開発が⾏われたために、
まだ⼗分な有効性や安全性に関する臨床データの集積はありません。
副反応として、アナフィラキシーを含むアレルギーの頻度は、⽶国におけるファイザー製ワクチンで0.0011%とされています。
治験の段階では注射部位の強い疼痛が数⽇続くことや発⾚の報告はありますが、致命的な副反応は報告されていません。
一方、残念ながら、妊婦さんに対しては⼗分な知⾒がなく、各国で⾒解が分かれています。
COVID-19 mRNA ワクチンの動物の⽣殖に関する研究はまだ完了していませんし、中・⻑期的な副反応については、現時点では不明です。

こうした状況の中、⽇本産婦⼈科感染症学会および⽇本産科婦⼈科学会より、現状において以下の提⾔が発表されました。

1. COVID-19 ワクチンは、現時点で妊婦に対する安全性、特に中・⻑期的な副反応、胎児および出⽣児への安全性は確⽴していない。
2. 流⾏拡⼤の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしないが、器官形成期(妊娠12 週まで)は、ワクチン接種を避ける。
3. 同意の上で接種を行う場合は、その後30 分は院内での経過観察を必要とする。⺟児管理のできる産婦⼈科施設等で接種を受け、なるべく接種前と後にエコー検査などで胎児⼼拍を確認する。
4. 感染リスクが⾼い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している⽅は、ワクチン接種を考慮する。
5. 妊婦のパートナーは、家庭での感染を防ぐために、ワクチン接種を考慮する。
6. 妊娠を希望される⼥性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。(⽣ワクチンではないので、接種後⻑期の避妊は必要ない。)

患者さん⼀⼈⼀⼈の背景が違いますので、まずは産婦⼈科の主治医やスタッフにご相談ください。